動物から人へ感染する感染症。
犬や猫などから感染する「コリネバクテリウム・ウルセランス感染症」にかかった福岡県の女性が2016年に亡くなっていたことが15日、分かった。
屋外で猫に餌をやった際に感染したとみられる。厚生労働省は、風邪に似た症状が出ている犬や猫を触った場合は、手洗いを徹底するなど注意するよう呼びかけている。
厚労省が症例を公表している01年以降では国内初の死者。
コリネバクテリウム・ウルセランス感染症の初期症状はせきやくしゃみなど。
重症化すると、呼吸困難などで死亡する場合がある。
別の感染症「ジフテリア」のワクチンが予防に有効とされている。
厚労省によると、死亡したのは福岡県の60代の女性。
16年5月に呼吸困難で救急搬送されて3日目に亡くなった。女性は屋外で3匹の猫に餌やりをしており、その際の接触から感染したとみられる。
国立感染症研究所によると、17年11月末までに感染が確認されたのは死亡した女性を含め25人。北海道、東京、神奈川、香川、徳島などで患者が確認されている。
厚労省は、飼育している犬や猫に風邪に似た症状や皮膚炎などが出ている場合は早めに獣医師の診察を受け、過度な接触を避けるなど注意が必要だとしている。
(2018年1月15日日本経済新聞から引用)
上記のような事件があったのはご存知ですか?
これは動物たちと共に暮らしている方にとって他人事ではありません。
ヒトと動物の両方にかかる病気をひとまとめにして、「人畜共通感染症」「人獣共通感染症」「ズーノーシス」などと言います。
これらの病気をヒトの立場から見たときには、「動物から感染する病気」ということで、厚生労働省では「動物由来感染症」と呼んでいます。
簡単に予防策の例をここではあげていきたいと思います。
●過剰な接触は避ける
口移しで餌をやる、スプーンや食器を共用するなどはもってのほかです。
また、一緒の布団で寝ることも避けたほうが無難です。
特に犬については、しつけの上でも良くありません。
●手を洗う
ペットに触った時(他にも、砂場などの野外で遊んだ時、土いじりをした時)は、流水で充分に手を洗ってください。
石鹸は、殺菌消毒の出来るもの(市販品にたくさんあります)をお勧めしますが、普通のものでも大丈夫です。
●野生動物は飼わない
ブラッシングは被毛のある動物の手入れの基本です。また、おとなの犬などは、月に1度程度のシャンプーも必要でしょう。
ペットのカゴ(小屋)、タオル(敷物)、水槽なども常に清潔な状態にあるよう、気をつけてください。
排泄物の始末も動物の種類にかかわらず大切ですが、室内で飼っている場合には、羽毛や乾燥した糞が飛び散ったりしますので、特に注意してください。
●犬(猫)には予防注射をする
動物由来感染症の最も代表的な、そしてもっとも恐ろしい病気の一つである狂犬病は、いったん発生すると、撲滅までに莫大な労力・費用・時間がかかり、最悪の場合は人命まで失われかねない病気です。
日本では約50年間にわたり発生していない病気ですが、これは犬への狂犬病ワクチン接種が大きな助けとなっており、法律上も飼い主の義務として明記されています。
犬を飼ったら予防注射、絶対に忘れないで下さい。
●おかしいなと思ったら
動物由来感染症の大部分は、その症状が普通のありふれた病気(インフルエンザなど)にとても似ているために、お医者さんでも見つけにくいものです。
治療をきちんと受けているのになかなか病気が良くならないようなときは、飼っているペットの種類や様子が診断の助けになることがありますので、お医者さんに話してみてください。(なお、海外への渡航歴も重要な診断材料になります)
もちろん、病気にかからないことが一番大切で、そのためにはペットの健康状態をきちんとわかっていることが必要です。こちらは獣医さんの分野になりますので、いろいろ相談できるかかりつけの獣医さんを見つけておいて、年に1度はペットも健康診断をしましょう。
どんなものがあるか?
どんな時に感染するのか?
気になった方は、下記「東京都福祉保健局」「国立感染症研究所」「厚生労働省」のURLを貼っておきますので、ご覧になってください。
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