実は危険な食べ物「アボカド」。
ペットフードもあるのになぜいけないの?
<アボカドによる中毒とその症状>
森のバターともいわれ、ビタミンEが豊富なことで知られるアボカド。
でも、その美味しさを犬にもおすそ分けするのは、ちょっと待ってください。
アボカドは安易に犬に与えてはいけない食品です。
ここではアボカドの危険な理由と、誤って犬に与えてしまった場合に見られる症状についてご紹介します。
●ペットフードもあるのになぜいけないの?
「海外のペットフードにはアボカド入りもあったはず」と驚かれた人もいるでしょう。
確かにアボカドの栄養成分を謳っている商品も存在します。
しかし、アボカドにはペルジンという、犬に中毒症状を引き起こす成分が含まれています。
人間にとっては、コレステロール値を下げ、体内から美しくしてくれる栄養豊富なアボカドですが、犬にとっては猛毒です。
ではなぜ、アボカドのドッグフードがあるのでしょう。
アボカドは、実はたくさんの種類を持つ果物です。
カリフォルニアなどでは、庭木として実るアボカドを食べてしまう犬もいます。
ところが日本で売られている「グアテマラ種」は、ペルジンの含有量が非常に多く、犬に対しての毒性が強いのです。
アボカドによる中毒とその症状
アボカドを食べてしまった犬が、すべて危険な状態になるわけではありません。
アボカドの中毒はアレルギー反応が原因といわれています。
そのため、反応が激しい犬やそれほどでもない犬など、個体差があります。
また、アボカドの種類によって、ペルジンの値も変わります。
日本でも「ハス種」など毒性の低いアボカドも売られています。
しかし、一歩間違えれば、死に至るほど強烈な中毒を引き起こす食品であることに変わりはありません。
加えてアボカドは天然ゴムと同じ分子構造をもっているため、
ラテックスアレルギー(天然ゴムアレルギー)によってアレルギー反応を起こす犬もいます。
アボカド中毒では次のような症状が見られます。
●胃腸刺激や嘔吐
● 下痢
●呼吸困難
●うっ血
●けいれん
食べたそうにしているからといって与えてしまうと、取り返しがつかない事態となる可能性は否定できません。
犬がアボカドを食べてしまったら
果物アレルギーなど、何かに対してアレルギーを持っている犬が誤ってアボカドを食べてしまった場合には、症状がみられなくても念のため獣医師の診察を受けておいた方が良いでしょう。
食べた量が少量で特にいつもと変わりがなくても、しばらくは犬の様子をしっかりと見ておきましょう。
様子が違ってきたり、元気がなくなる、また嘔吐や下痢が見られた場合には、重症化する前に必ず病院に連れて行きましょう。
特に、皮や種には有害な成分が多く含まれているため、胃腸障害を起こす危険性があります。
明らかに食べてしまったことがわかっている場合には、前もってかかりつけの獣医師に連絡をしておくのが賢明です。
観察するポイントを指示されると同時に、時間外の対応についても聞いておくことができます。
危険性を知っても与えたい?
確かにアボカドの豊かな栄養分は、犬にとっても捨てがたいものかもしれません。
しかし、アレルギーの危険性は反応が出てみないとわかりません。
わざわざ犬にとって、中毒の恐れがある食品を与える必要はないのです。
食品の知識は飼い主の責任です。与えるものを判断し、愛犬の健康を守ってあげましょう。
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